チェスのルール入門:駒の動かし方を全部解説
チェスの遊び方を覚えるのは十五分ほど。上手くなるには何年もかかります。でも始まりは ここ——省略なしの完全なルール、そして中途半端な解説では必ず飛ばされ、対局中の言い争 いの種になる三つの特殊なルールも含めて。
盤と初期配置
チェスは 8×8 の盤、つまり明暗が交互に並ぶ 64 マス で行います。縦の列(ファイル) はアルファベット(a〜h)、横の列(ランク)は数字(1〜8)で表すので、すべてのマスに e4、g7、a1 のような固有の名前があります。
初心者がほぼ必ず間違える配置ルールが二つあります。
- 右下は白マス。 自分から見て右手前の角は明るいマスでなければなりません。暗い マスなら盤の向きが逆です。
- クイーンは自分と同じ色のマスに。 白のクイーンは明るいマス(d1)、黒のクイーン は暗いマス(d8)から始まります。残ったマスがキングの場所です。
一段目は左から順に、ルーク、ナイト、ビショップ、クイーン、キング、ビショップ、ナイ ト、ルーク。その手前に八つのポーンが並びます。
白が必ず先手で、以降は交互に指します。パスはできません。自分の手番が来たら必ず 一手指す必要があります。
各駒の動かし方
| 駒 | 動き方 | おおよその価値 |
|---|---|---|
| ポーン | 前に1マス(最初の一手のみ2マス可) | 1 |
| ナイト | L字型:2マス進んで直角に1マス | 3 |
| ビショップ | 斜めに何マスでも | 3 |
| ルーク | 縦横に何マスでも | 5 |
| クイーン | ルークとビショップを合わせた動き | 9 |
| キング | 全方向に1マス | — |
ポーン
盤上でもっとも変わった駒です。というのも 進み方と取り方が違う から。まっすぐ前 に進みますが、取るのは斜め前の1マス。後戻りは決してできません。
初期位置からは1マスまたは2マス進めます。真正面に駒があると動けません。その駒を取る ことも、飛び越えることもできないからです。
ナイト
L字に動きます——一方向に2マス、そこから直角に1マス——そして 唯一、他の駒を飛び越え られる駒 です。途中に何があっても関係なく、着地するマスだけが問題になります。中央 のナイトは最大8マスに利きますが、隅ではわずか2マス。だから昔から ナイトは端に置く な と言われます。
ビショップ
斜めのラインを端まで進みます。それぞれのビショップは最初に置かれたマスの色から永久 に離れられないため、2枚が互いを補い合います。ビショップ2枚(ビショップペア) が わずかな優位とされるのはこのためです。
ルーク
縦横に動きます。価値は高いものの、活躍するのは少し後。ラインが開き、終盤が近づいて から本領を発揮します。
クイーン
ルークとビショップを兼ね備えた、盤上最強の駒です。だからこそ 早く出すべきではあり ません。相手は軽い駒でクイーンを攻撃しながら、ただで駒組みを進められるからです。
キング
全方向に1マス動きます。取られることは決してなく、目的は追い詰めること。そして絶対 のルールが一つ:自分のキングがチェックされたままになる手は指せません。
三つの特殊ルール
キャスリング
キャスリングはキングとルークの2枚を同時に動かす手で、キングを安全地帯へ移す最良の 方法です。キングはルークの方向へ 2マス 動き、ルークはその上を越えて隣に並びます。
以下の すべて を満たすときだけ可能です。
- キングも、その ルークも、対局中まだ一度も動いていない。
- 両者の間に駒が一つもない。
- キングが 今チェックされていない。
- キングが攻撃されているマスを 通過せず、そこに 止まりもしない。
よく誤解される点:ルークは攻撃されていても構いません。攻撃されているマスを通過 することもできます。制限がかかるのはキングだけです。
種類は二つ、キングサイド(ショート) と クイーンサイド(ロング)。後者は一手 遅い代わりに、時としてより攻撃的です。
アンパッサン
相手のポーンが 一度に2マス進んで、ちょうど自分のポーンの隣に並んだとき、それが 1マスしか進まなかったかのように取ることができます。自分のポーンが相手を取り、相手 が飛び越したマスに着地します。
重要な条件:その直後の一手でのみ。他の手を指せば、この権利は永久に消えます。取 られた駒が着地マスにいない、チェスで唯一の取り方です。
プロモーション(昇格)
最終段に到達したポーンは、同じ色のクイーン・ルーク・ビショップ・ナイトのいずれかに 必ず変わらなければなりません。ポーンのまま留まることも、キングになることもでき ません。
ほとんどの場合クイーンを選びます。典型的な例外はナイトへの昇格で、それがチェックメ イトになる場合や、フォークで局面を救える場合です。そして クイーンを2枚以上 持つ ことも可能です。
対局の終わり方
チェックとチェックメイト
チェック は自分のキングが攻撃されている状態です。必ず対応しなければならず、方法 は三つだけ:キングを動かす、攻撃している駒を取る、間に駒を割り込ませる(最後の方法 はナイトには通用しません)。
キングがチェックされていて、三つのどれも できなければ チェックメイト、対局は 終了です。
引き分け
実力が近い者同士では、およそ3局に1局が引き分けになります。方法は五つ:
- ステイルメイト:自分の手番で、チェックされておらず、合法手が一つもない状態。 これは負けではなく引き分け——劣勢のときの命綱です。
- 駒不足:詰ませるだけの駒が残っていない(キング対キング、キングとビショップ、キ ングとナイトなど)。
- 同一局面3回:同じ局面が、同じ側の手番で3回現れる。
- 50手ルール:双方が50手ずつ、ポーンを動かさず、駒も取らずに指した場合。
- 合意 による引き分け。
各駒の価値
上の表の数値は交換の判断に使います。ビショップ(3)とルーク(5)の交換は +2 の 得で、これを「エクスチェンジを得る」と言います。
あくまで目安であり、絶対ではありません。中央にどっしり構えたナイトは、閉じ込められ たルークより価値があることもあります。両翼にポーンが残る終盤では、ビショップがナイ トを上回るのが普通です。とはいえ学習中は、点数を数えるだけで大半の大失敗を防げます。
実際に指して覚える
ルールは読み返すのではなく、指すことで身につきます。AI の「イージー」で一局始めて、 三つのことを意識してください。早めにキャスリングする、駒を無防備にしない、そしてチ ェックは指す前に必ず確認する。
よくある質問
チェスはどちらが先手ですか?
必ず白番です。その後は交互に指し、パスは認められていません。自分の手番になったら必ず一手指す必要があります。
キングを取ることはできますか?
できません。キングが取られることは決してありません。攻撃された状態をチェックと呼び、必ず解消しなければなりません。合法的に解消する手がなければチェックメイトとなり、対局は終わります。
ポーンはどの駒にも昇格できますか?
同じ色のクイーン、ルーク、ビショップ、ナイトのいずれかです。ポーンのまま残ることも、キングになることもできません。最終段に到達したら昇格は義務です。
合法手が一つもない場合はどうなりますか?
同時にチェックされていればチェックメイトで負けです。チェックされていなければステイルメイトとなり、対局は引き分けになります。
ルークが攻撃されていてもキャスリングできますか?
できます。攻撃されているマスに関する制限はキングだけに適用されます。キングはチェックされていてはならず、攻撃されたマスを通過することも、そこに止まることもできません。ルークは攻撃されていてもよく、攻撃されたマスを自由に通過できます。